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小説

最低な生き方マニュアル(愛花編)
第一話 孝夫と虐待
第二話 自傷行為と拳創
第三話 裏切りと真美との出会い
第四話 腐ってる人間
第五話 かすみと薬
第六話 勇進との出会い
第七話 本当の愛
第八話 報告
最終話 また会える日まで

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預言者 第一話 正夢 中学生になってパパが変わった
孝夫は薬にはまっていろんなとこから借金を作り行方不明になったらしい
新しいパパはママの仕事場の社長さんで少し年をとったおじさんだった
孝夫の知らせと新しいパパの存在にはなにも感じなかった
ただママに褒めてもらいたかった
ママはテストでいい点を取ればきっと褒めてくれる
そう思った
だから必死で勉強した
愛花はスタイルもよく顔も綺麗だったので男も女も関係なく愛花に近寄った
愛花に声をかけてくれる子にも愛花は興味をしめさずすぐに愛花の周りには誰もいなくなり常に一人で行動するようになった
それでも愛花は何も気にすることはなかった
テスト前は本当に寝ないで勉強した
テストが返ってくるのが楽しみで返ってくると家に急いで帰った
ドアを開けるとすぐに大声で自慢げに言った
「ママ!見て!愛花数学で学年1位だったよ!」
テスト用紙を黙って見ながら高まっていく気持ちを抑えながら笑顔でママを見つめた
ママは冷たい目で愛花を見て言った
「ふ〜ん・・・1位ね〜・・・この点数で?」
「うん・・・でも寝ずに必死に勉強したんだよ・・・愛花えらいでしょ・・・?」
「こんな点数で学年1位とっても次もとらなきゃ意味ないのよ!」
「うん・・・次も頑張るよ・・・」
「ふんっ!今回はたまたまとれただけよ!」
そう言い放して愛花にテスト用紙を突きつけた
黙ったままテスト用紙を受け取り部屋に走って戻った
部屋に入った瞬間悔しくてテスト用紙をくしゃくしゃに破った
ママは頑張ったことさえ認めてくれない
ママの愛ってどういうものなの?
少しの間枕に顔を伏せて悔しくて泣きじゃくった
少し落ち着いてからパソコンを開いた
中学生になってからパソコンを利用するようになったのだ
ネットの中で知り合った友達にすぐに今日の出来事を伝えた
ネットの中の友達はテスト勉強のときもいつも応援してくれて今回のことも慰めてくれて愛花も素直に喜んだ
新しい書き込みがあることに気づいた
その子は愛花と同じ歳で辛いときはここに行ってみるといいとHPのURLが書いてあった
すぐにそこに行ってみると雰囲気の違うHPだとすぐに気づいた
TOPにはリストカット症候群と書いてある
何のことだか意味もわからず中に入るとリストカットという言葉についていろいろ詳しく書いてあった
なぜだか意味を知っていくうちうにリストカット、自殺など新しい裏の世界がみれたようでいろいろ興味がわいてきた
それからずっとリストカットという言葉をさらに知るために調べていった
実際にリストカットをくり返している人とメールのやりとりをしだした
いろいろ聞いていくうちにいろんな人がいるんだなって思った
ただ興味だけで別に手首を切ることを何とも思わなかった愛花は好奇心から自分もやってみようと思った
痛みなんかなく辛いときにはその血を見て安心するらしい
抑えきれなくなった愛花は机の引き出しからカッターを取り出し左手首に刃を当てた
自分でもドクンッドクンッてしてるのがわかる
本当に痛くないのか不安で怖かった
ゆっくり少しずつ力を入れてスゥーっと切った
少しずつ血がでてきたのを見てホッとした
そのときはそれだけで満足して床についた
次の日学校から帰ってきてすぐにいつもの掲示板に行った
昨日教えてくれた人宛に返事と報告を書いた
すると今までの友達からの返事が来た
「何でそんなことしたの!?僕たちはお互い助け合うために愛花ちゃんにも僕たちにできることはしてきたんだよ?愛花ちゃんには何も伝わってなかったの?」
その返事を見て愛花は罪悪感でいっぱいになった
顔も知らない声も聴いたことのないはずなのに誰よりも信じれた人たちを裏切ったことに自分自身悔しくなった
自傷行為とそういうサイトに行かないことと謝罪を返事に書いた
「僕たちも愛花ちゃんのこと信じてくれたから変わってくれて嬉しいよ。これからも一緒に頑張ろうね」
素直に嬉しさと自分自身の悔しさから涙が流れた
高校生になってからは勉強もせずパソコンばかり眺めていた
ママは最初のうちは怒っていたが聞く耳ももたない愛花に対し何も言わないようになった
ある日掲示板の一人の男の子が一度会って話してみたいと言ってきた
掲示板で初めてできた友達で拳創という18歳の人だった
愛花自身も一度会ってみたいと思ったのですぐに約束の日を決めその日が楽しみで待ち遠しかったその日がついにやってきて近くの公園前で約束していた
15分前に着いて今着いたよとメールを送った
ブランコの前にいるよとすぐに返事がきた
ゆっくり歩いていくと背丈が180はゆうに超えているスタイルのいい男の子がいた
すぐに拳創だとわかったので歩くスピードをあげた
拳創も愛花の存在に気づき片手をあげた
「緊張して30分前に来ちゃったよ」
と拳創は笑った
笑顔が素敵で愛花は緊張していた気持ちが一瞬になくなった
愛花はすぐにどこか場所を変えると思っていたのでこれからどこに行くの?と聞くと少しここで話しようとブランコに座った
少し驚いたが愛花もすぐに座った
すると拳創は愛花の腕をギュッとつかんでカットした傷跡をよく見た
「ほんとにバカだな!もう二度とこんなことしちゃ駄目だよ?」愛花はそう言われるとなんだか恥ずかしい気持ちになって照れくさそうに
「うん、わかってる」
と苦笑いしながら拳創に言った
お互いすぐに打ち明けあい10分ほどいろいろ話した
話していくうちになんだか拳創に対して憧れのような気持ちを抱き始めていた
話している途中で拳創の携帯がなった
「ちょっとごめん」
焦ったように愛花にそう言い少し離れたところで話した
すぐに電話を切り
「今俺のダチが近くにいるんだけど一緒に遊ばない?」
と軽い口調で言った
愛花もすぐに
「別にいいよ」
と答えた
「じゃ〜行こうか」
30センチ以上もある背丈が横に並び10分ほど歩くと人込みの少ない道筋に入った
すぐに小さな倉庫が見えた
「ここでいつもたまってんだ〜」
と言いながら愛花の肩を持ち中に入っていった
中に入ると薄暗く廃車になった車やガラクタのような物しかなく独特な匂いを漂わせていた
大きな笑い声が聞こえた
その中には女の人の声も混じっていた
拳創に連れられるまま声のあるほうに歩いていくと悪そうな人たちが男4人女2人いた
愛花は少し足が止まったが拳創に肩を引っ張られゆっくり近づいていった
一人の男がビデオをまわしていた
「遅ぇよ〜!」
その男がそう言いながらビデオをこちらに向けた
「可愛いね〜・・・今回は当たりだな!たまにはやるじゃん拳さん!」
また一人の男がそういった
「てかこの子まだ中学あがりでしょ?」
と鼻で笑いながら言った
「今高1だよね〜」
と拳創が言った
愛花は黙ったままうなずいた
「どうしたの?緊張してるの?でもやったことはあるんでしょ?」
と男が愛花のほうに近づいてきながら言った
「はい、これ。よいしょっと」
そう言いながらビデオを一人の女の子に渡し、座っていた段の上からおりて愛花のほうへと歩いてきた
「な、なに?」
愛花は焦っているのを必死に隠しながら拳創を疑うように言った
「ごめんね〜」
と言いながら愛花の肩を強く抱いた
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